コールセンターのAI導入事例35選!海外事例・成功パターンも紹介

コールセンターへのAI導入は、受電対応以外にも発信業務・応対品質向上・後処理の効率化まで活用範囲が広がっています。本記事では、コールセンターのAI導入事例を業務領域別に紹介し、先進的な海外事例と包括的な成功パターンもあわせて解説します。

株式会社ストラーツの「電話応対AIサービス」は、AIによって定型的な問い合わせや予約受付、折り返し依頼などを自動化し、人件費や対応の負担軽減を実現します。まずはデモ体験で、AIによる自然な電話応対をご確認ください。

目次

1.【業務領域別】AIコールセンターの導入事例32選

(1)受電・問い合わせ対応

①ヤマト運輸|法人向け集荷依頼の電話受付にAIオペレーターを導入

ヤマト運輸は、新型コロナウイルス感染症対策による人員体制の縮小や、電話が集中する時間帯の呼損率増加を背景に、有人対応を補完する目的で法人顧客からの集荷依頼受付に音声応対AIサービスを導入しました。

利用者がフリーダイヤルへ電話し、自動音声ガイダンスで法人向け集荷依頼を選択すると、AIオペレーターが集荷場所や希望時間を聞き取り受付を行います。

コールセンターへの問い合わせの約8割がAIを経由するようになり、大幅な入電削減と業務効率化を実現しています。この実績を踏まえ、個人向け電話対応への展開も予定しています。

参考:https://www.yamato-hd.co.jp/news/2020/pdf/news_201104.pdf

②三井住友海上火災保険|AI音声で24時間365日の事故受付を自動化

三井住友海上火災保険は、台風や地震などの自然災害発生時に事故連絡が集中し、コールセンターの受付体制がひっ迫する課題となっていました。

これに対処するため、単独事故など一定条件を満たす事故では、AI音声が自動応答で受付を行い、24時間365日対応できる体制を構築しています。

これにより、平常時だけでなく災害時や感染症拡大時にも迅速な事故受付を維持し、コールセンター業務の効率化と受付体制の安定化を図っています。また、今後は火災保険や傷害保険の事故受付へ対象を拡大する予定です。

参考:https://www.ms-ins.com/news/fy2023/pdf/0202_1.pdf

③ライフネット生命保険|対話型AIとAIボイスボットで24時間受付を実現

ライフネット生命保険では、プッシュ型IVRによってオペレーターにつながるまでの待ち時間が長くなることが課題でした。

これに対し、対話型AIとAIボイスボットによって、AIと自然な対話を行い、内容に応じてオペレーターまたはAIボイスボットへ接続される仕組みに変更しています。

さらに生命保険料控除証明書の再発行については、AIボイスボットが24時間365日受付を行う体制を構築しました。

参考:https://ir.lifenet-seimei.co.jp/ja/news/index/auto_20251107592011/pdfFile.pdf

④フルタイムシステム|AIボイスボットで宅配ボックスの問い合わせ20種類を自動化

フルタイムシステムは、コロナ禍以降の問い合わせ件数増加と採用難を背景に、24時間365日の電話対応体制を維持しながら、オペレーターの負荷軽減も並行して行う必要がありました。

そこで宅配ボックスに関する問い合わせ対応へAIボイスボットを導入し、約20種類の問い合わせを自動化しました。

導入後は、問い合わせ履歴を分析し、件数の多い内容から順次AIへ移行したことで、呼量が増加する中でも高い応答率を維持しました。また、電話の待ち時間短縮やオペレーターの負担軽減につながったほか、専門知識がなくてもシナリオを編集できるUIを活用し、少人数で運用・改善できる体制を構築しています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000045699.html

⑤ビタブリッドジャパン|返品・解約手続きを自動化し応答率を10%以上改善

ビタブリッドジャパンは、事業拡大に伴って入電数が増加し、コールセンターの応答率が過去最低水準まで低下していたことが課題となっていました。

そこで定期購入に関する返品・変更・解約の電話受付にAI自動音声受付を導入し、電話による本人確認から返品・コース変更・解約手続き、通話後のシステム登録までを一気通貫で自動化しました。

導入後は応答率が10%以上改善し、呼量が増加する中でも目標値を維持しています。また、自動化によって生まれた余裕を活用し、顧客情報に応じた声かけや誕生月の案内など、オペレーターによる応対品質の向上にも取り組んでいます。

参考:https://aisaas.pkshatech.com/success/vitabrid_japan/

⑥横浜銀行|AIエージェントで証明書発行受付を自動化し年間約445時間を削減

横浜銀行は、年末調整や確定申告の時期に問い合わせが集中し、電話がつながりにくい「あふれ呼」や郵送手続きによる事務負担が課題となっていました。

ローン関連証明書の発行申請受付に生成AIを活用したAIエージェント型ボイスボットを導入したところ、AIエージェントが顧客との自然な対話を通じて申請受付を完結できるようになりました。

一部証明書では約9割の受付が折り返し不要で完了しており、電話応対で年間約175時間、郵送・事務作業で年間約270時間、合計約445時間の業務削減を見込んでいます。

参考:https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260522/20260522544249.pdf

⑦SBI生命保険|AI電話自動応答とRPAで控除証明書の再発行を完全自動化

SBI生命保険は、生命保険料控除証明書の再発行業務にAI電話自動応答システムとRPAを導入しました。

従来は営業時間内にオペレーターが電話で受付を行っていましたが、AIによる自動受付へ切り替えることで、24時間365日いつでも手続きできる体制を構築しています。

受付後の処理ではRPAを活用し、受付データの取り込みから生命保険料控除証明書の印刷までを完全自動化しており、証明書再発行に関する業務の大幅な効率化を実現しています。

参考:https://www.sbilife.co.jp/corporate/press/pdf/NR20210916.pdf

⑧ザイマックス|AIとLINEを活用して修繕・問い合わせ受付を効率化

ザイマックスでは、従来は電話で設備の故障状況を伝える必要があり、状況説明に時間がかかることが課題でした。

多店舗事業者向けの建物管理業務において、AIとLINEを活用したコールセンターサービスを導入したことで、コールセンターへの入電数そのものを削減しています。

店舗担当者が送信した写真やコメントをAIが解析し、修繕箇所や緊急度を判定することで、迅速な対応を実現しています。また、LINE上の選択式メニューから手続きを進められるため、店舗担当者の負担軽減と、本来業務に充てる時間の確保にもつながっています。

参考:https://www.xymax.co.jp/news/files/wysiwyg_20170526.pdf

⑨日本ロードサービス|AI電話自動応答とkintone連携で電話対応時間を6割削減

日本ロードサービスでは非常時や入電が集中した際にも、限られた人員で問い合わせへ対応できる体制の構築が求められていました。

緊急性の低い問い合わせにAI電話自動応答システムを導入したところ、毎月42時間以上の電話対応時間を削減し、電話対応時間を約6割削減しています。

AI電話自動応答システムが氏名や問い合わせ内容を自動で聞き取り、回答をテキスト化したうえで担当者へ送付し、メールで届く入電情報をツールへ自動登録する仕組みを構築したことで、折り返し対応や問い合わせ記録の管理も効率化しています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000031387.html

⑩NTTレゾナント|AI音声応答を導入し問い合わせ対応を自動化

NTTレゾナントでは、月間約10万件の問い合わせに対応する中、人手不足による待ち時間の増加が課題となっていました。

そこでOCN関連の問い合わせを受け付けるコールセンターへAI音声応答サービスを導入します。

導入にあたっては、AI受付比率30%、回答精度85%、解決率80%を目標に設定し、まず営業時間外の一部サービスから運用を開始しました。チューニングを重ねることで約5か月後には回答精度が向上し、現在は営業時間内にも活用されています。

参考:https://www.jtua.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/02/20210201_01ai-callcenter.pdf

⑪損保ジャパン|対話型AIで災害時の電話受付を自動化し大量入電に対応

損保ジャパンは、対話型AIを事故サポートセンターへ導入し、災害時の保険金請求受付を自動化しました。

電話が混雑している場合や利用者が対話型AIを選択した場合は、AIが氏名・電話番号・被害状況など請求手続きに必要な情報を音声で聞き取り、受付データをシステムへ自動登録します。

最大で1時間あたり3,000件の受付が可能となり、電話が集中した際でも継続的に受付できる仕組みを実現しています。

参考:https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/news/2022/20230126_1.pdf?la=ja-JP

⑫小田急 山のホテル|AI電話応答で問い合わせを自動化し応答率96%を実現

小田急 山のホテルは、繁忙期に月6,000件を超える電話が集中し、つつじの開花状況など定型的な問い合わせによって宿泊予約の電話がつながりにくいことが課題でした。

対話AIプラットフォームを導入し、開花状況や送迎案内などの問い合わせを自動応答で受け付ける体制を構築しました。

現場スタッフがガイダンスを随時更新しながら運用を改善した結果、電話応答率は約44%から96%以上へ向上し、繁忙期には着信の約54%を自動対応しました。

参考:https://ivry.jp/case/hoteldeyama/

⑬京セラドキュメントソリューションズジャパン|音声AIで営業時間外の問い合わせ対応を自動化

京セラドキュメントソリューションズジャパンは、営業時間外の問い合わせ対応やBCP対策を目的として、音声AIを活用したカスタマーサポート体制を構築しました。

音声AIが消耗品の注文受付などの一次対応を自動化し、受付内容は後続処理チームへ自動通知されます。さらに、営業時間内も有人対応と組み合わせたハイブリッド運営を実施しています。

継続的なAIチューニングにより、音声AIのみで対話が完了する割合は5割以上となり、ほぼすべての一次受付に対応可能な体制を実現しました。また、営業時間内の待ち時間中にも音声AIへ案内することで顧客満足度の低下を抑制し、突発的なセンター閉鎖時には音声AIのみで受付を継続できるBCP体制も構築しています。

参考:https://www.trans-cosmos.co.jp/customercase/customer/kyocera.html

⑭京都銀行|AIチャットボットによる24時間365日の即時回答

京都銀行では、お客さまからの商品・サービスや事務手続きに関する問い合わせ、および営業店から本部への行内照会に対応するため、AIチャットボットを導入しました。

株式会社BEDOREの自動対話エンジンを採用し、ホームページや京銀アプリからチャット形式で問い合わせできる環境を整備しています。

2021年4月から行内で段階的に運用を開始し、同年8月からお客さま向けサービスを提供しました。これにより、24時間365日の即時回答による利便性向上と、行内照会業務の効率化による行員の生産性向上を目指しています。

参考:https://www.kyotobank.co.jp/news/data/20210419_2221.pdf

⑮NECマネジメントパートナー|AIチャットボットで問い合わせ数を約28%削減

NECマネジメントパートナーでは、社内ヘルプデスクへの電話が混雑し、営業時間外に問い合わせできないことや、担当部門へのたらい回しが課題となっていました。

そこでNECグループ社員からの人事・総務関連の質問に回答するAIチャットボットを導入し、テキスト含意認識技術により、多様な表現の質問から意味の近いQ&Aを検索し、1日約900件の問い合わせに自動回答しています。

その結果、コンタクトセンターへの問い合わせ数を約28%削減し、問い合わせの71%が何らかの解決につながりました。問題解決までの時間も従来の3分の2に短縮されています。

参考:https://www.ms-ins.com/news/fy2023/pdf/1214_1.pdf

⑯奈良市|AIによる一次受付自動化で情報共有の効率化

奈良市では、年間約14万件の電話問い合わせのうち約7割を職員へ転送しており、電話応対業務の効率化と市民サービス向上が課題となっていました。

そこで、AIによる一次受付や自動応答を備えた新たなコールセンターの構築に加え、AIによる通話の文字起こし・要約機能を導入し、応対履歴作成や情報共有を効率化します。

さらに、通話データを活用してFAQを拡充し、自動応答できる範囲を段階的に広げることで、不要な転送を抑制し、市民を待たせないワンストップ対応の実現を目指しています。

参考:https://www.city.nara.lg.jp/uploaded/attachment/206281.pdf

⑰大阪市|AI電話による自動応答システムで24時間対応体制を構築

大阪市では、住民登録に関する定型的な電話問い合わせへの対応時間や受付時間の制約が課題となっていました。

そこで、区役所DX推進事業の一環としてAI電話による自動応答システムを導入し、24時間365日、定型的な問い合わせに対応する体制を構築します。曜日や時間帯、電話回線数に左右されず、市民がいつでも問い合わせできる環境を整備することで、利便性の向上を図ります。

また、AI電話で対応可能な業務数や利用者数、AI電話単独での対応完結率、利用者満足度を指標として運用し、受電業務の効率化と市民サービスの向上を目指しています。

参考:https://www.chisou.go.jp/sousei/about/shinchihoukouhukin/digital/r6hoseigaiyou/pdf/27_type1_osaka.pdf

⑱大阪府守口市|AI電話自動応対でごみ分別の問い合わせ対応を24時間365日化

大阪府守口市では、ごみ分別に関する電話相談が多く寄せられ、チャットボットを導入しても電話での問い合わせが多い状況でした。

そこで、AIによる音声対話形式の自動電話応対サービスを活用し、ごみの分別方法や収集日、年末年始の収集スケジュールなどを24時間365日案内できる体制の実証実験を開始しました。複数回線による同時応対にも対応し、市民を待たせることなく案内できる仕組みを構築しています。

その結果、AI電話相談とチャットボットを併用した運用では電話相談件数が約15%減少し、時間外・休日の問い合わせにも対応できるようになったことで、市民サービスの向上と問い合わせ対応業務の効率化につながりました。

参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000997289.pdf

⑲中国電力|AI自動応答で本人確認を自動化し電話応答率が向上

中国電力では、電気契約や料金、設備に関する問い合わせに対応するコールセンターにおいて、繁忙期やピーク時間帯の安定稼働に加え、悪天候や感染症の影響でオペレーターが出勤できない場合の業務継続と応答率向上が課題となっていました。

そこで、AI自動応答サービスを導入し、契約番号や契約名義を音声認識で聞き取り、本人確認から受付結果の連携までを自動化しました。

その結果、AIが問い合わせの一部を自動応答することでオペレーターの対応件数が減少し、繁忙期でも電話がつながりやすくなり、電話応答率は前年比で8%向上しました。また、契約名義の認証率は約97%以上となり、高精度な本人確認を実現しています。

参考:https://aismiley.co.jp/ai_news/ai-confirms-identity/

(2)発信業務

⑳カスタマーリレーションテレマーケティング|AIによる架電リストの自動生成で成約率が7倍に向上

カスタマーリレーションテレマーケティングでは、架電リストの作成が担当者の勘や経験に依存し、成果にばらつきが生じることや、高機能な既存システムが現場の運用に馴染みにくいことが課題でした。

そこで、AIによる架電リストの自動生成を活用し、架電対象者の情報と過去の実績データを基に成約率を予測し、スコアの高い順に架電リストを自動作成する仕組みを導入しました。

その結果、人手で作成したリストと比べて成約率が7倍に向上しました。さらに、リスト作成にかかる業務負荷が減り、コール品質向上などの業務にリソースを振り向けられるようになりました。

参考:https://jp.dotdata.com/wp-content/uploads/2023/06/dotdata-case-study-marketing-crtm-jp.pdf

㉑Quants株式会社|AIボイスボットで督促コールを自動化し債権回収率が向上

Quants株式会社では、保証サービスの債権管理業務において、事業拡大に伴い債務者数が1年間で150名から1,200名へ増加し、増員後も督促コールが追いつかない状況となっていました。

短期間で導入できるAIボイスボットを採用し、リストインポートによる一斉架電を活用して1日3回架電の運用を自動化した結果、架電対象が急増した状況でもKPIである1日3回の架電を継続して実施できるようになりました。

複数回の発信によるリマインド効果や、社員が複雑な対応に専念できる体制が実現し、有人対応時を上回る債権回収率の向上につながりました。

参考:https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250925/20250924561892.pdf

㉒株式会社MonotaRO|AIボイスボットで納期確認リマインドコールを自動化

株式会社MonotaROでは、200席規模のコールセンターを運営する中、業績拡大に伴う人手不足への対応として、定型業務の自動化・効率化を目的にAIボイスボット「commubo」を導入しました。

まず、入荷予定日を過ぎた取引先への納期確認リマインドコールを対象にPoCを実施し、自社でトークスクリプトを改善しながら運用を進めました。その結果、納期回答リードタイムを約5割短縮し、当日の回答率も10%改善しました。

また、架電業務の自動化により人的リソースの影響を受けにくい運用を実現しています。今後は、取引先対応の拡大に加え、受電業務や顧客対応への活用も検討しています。

参考:https://adv.tokyo-np.co.jp/prtimes/article53566/

(3)応対品質向上

㉓日立ソリューションズ東日本|AIによる故障診断支援でオペレーター対応を効率化

日立ソリューションズ東日本では、故障診断を担当できるオペレーターの育成に時間がかかることや、初動対応の不備による不要な訪問修理が課題となっていました。

そこでAIとRPAを活用したコールセンター向け業務効率化ソリューションを導入しました。

製品マニュアルや診断フローをもとにFAQナレッジデータベースを構築し、AIが問い合わせ内容に応じて確認項目や対応シナリオを提示するため、オペレーターによる故障診断の精度向上と、不要な現場訪問の削減を実現しています。

参考:https://www.hitachi-solutions-east.co.jp/giho/giho26/la8b5v0000000y80-att/giho2021-06.pdf

㉔三井住友カード株式会社|生成AIで回答草案を自動生成し応対品質を向上

三井住友カード株式会社は、コンタクトセンターの対応品質と対応可能件数の向上を目的として、検索拡張生成(RAG)技術を活用した生成AIを導入しました。

生成AIが社内データを検索し、お問い合わせに対する回答草案を自動生成する仕組みです。

これによってオペレーターの応対スピード向上とお問い合わせチャネルの強化を実現し、お客さま対応にかかる時間は最大で約60%短縮される見込みです。

参考:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001932.pdf

㉕イオンフィナンシャルサービス株式会社|生成AIロールプレイングで応対品質を向上した事例

イオンフィナンシャルサービス株式会社は、応対品質向上と研修の効率化を目的として、生成AIを活用したロールプレイングシステムを導入しました。

オペレーターがいつでもさまざまな状況を想定した実践的なトレーニングを行える環境を整備し、応対時間の短縮や的確な解決提案、複雑な問い合わせへの対応力向上を目指しています。

また、自社研修講師の業務時間を年間最大5,000時間創出する見込みで、実務での指導・育成活動の強化にもつなげています。

参考:https://www.aeonfinancial.co.jp/-/media/AeonGroup/Aeonfinancial/Files/news/2025/news250725.pdf?sc_lang=ja-JP

㉖東京ガスカスタマーサポート|AI活用で応対品質と業務効率を向上

東京ガスカスタマーサポートでは、事業拡大に伴う問い合わせ内容や対応フローの複雑化に加え、必要な情報を探しにくいことから、オペレーターの経験による対応品質の差が課題となっていました。

受付情報の一元管理とAIの音声認識・高度な検索機能を導入し、会話内容をAIが解析して適切な回答候補や確認項目を自動表示する仕組みを構築しました。

その結果、管理者へのエスカレーション率を14%削減し、オペレーターの応答時間を平均10秒短縮、年間約1万1,000時間の応対時間削減を実現しました。また、対応品質のばらつきや受付ミス、確認漏れの削減につながり、顧客満足度の向上にも寄与しています。

参考:https://www.tokyo-gas.co.jp/letter/2022/20220804.html

㉗東京電力ホールディングス|生成AI活用でコンタクトセンターの応対品質を高度化

東京電力ホールディングスでは、チャット・ボイスボット・FAQを組み合わせたマルチチャネル環境と生成AIを活用し、コンタクトセンターの高度化を推進しています。

会話ログを蓄積・分析するとともに、AIによる自動応対とオペレーターへのテキスト連携、生成AIによる通話要約を導入することで、応対品質の向上と業務効率化を図りました。

その結果、2024年度はマルチチャネル利用率が56.2%、AIチャットの受付完了実績は77.4万件、利用者満足度は91%となりました。また、生成AIを活用した通話要約によりオペレーターの負荷軽減を実現し、今後は顧客ニーズ分析やコールリーズン分析、法令・ガイドライン遵守のチェックへの活用も進める方針です。

参考:https://www.tepco.co.jp/about/about-dx/dx_case/case-19.html

(4)アフターコール業務

㉘みずほ銀行|生成AIで回答支援・応対要約・チャネル連携を高度化

みずほ銀行では日本語生成AIが顧客との会話を分析し、ニーズに応じた回答や提案をアドバイザーへ提示することで、ライフプランや資産形成など複雑な相談への対応を支援しています。

電話・チャット・LINEなど複数チャネルの相談内容を統合し、応対内容をAIが自動でテキスト化・要約してCRMや営業部店と共有する仕組みを併せて整備することで、チャネルをまたいだ情報連携と応対品質の向上を図っています。

参考:https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20240701release_jp.pdf

㉙東邦ガス株式会社|AI業務支援システムで効率化

東邦ガス株式会社は、AIが顧客との会話をリアルタイムで文字起こしし、対応内容に応じたマニュアルを提示するほか、通話後の要約や管理者への引き継ぎ支援も自動化しています。

これにより、通話時間を約1割削減したほか、通話後の記録入力などの後処理時間を最大約88%、管理者による応対評価業務を約25%削減しました。

顧客の待ち時間短縮や繁忙期の対応件数拡大も図っています。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD171810X10C26A2000000/

㉚株式会社東芝|生成AIで応対品質評価を自動化

株式会社東芝は、オペレーターの応対品質評価業務を対象に、生成AIを活用した実証実験を約100件の通話で実施しました。

テキスト化した通話内容を生成AIが評価し、改善点や具体的なアドバイスを文章で提示する仕組みです。

人手による評価と比べて作業時間の短縮が確認されたほか、評価のばらつき抑制にもつながりました。オペレーターがアドバイスを参照した結果、話し方の明瞭さや聞き返しの頻度などに改善がみられ、スーパーバイザーの評価・指導工数も削減されました。

参考:https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/jp/products-solutions/ai-iot/recaius/lp/ccplus-comp-resources/pdf/wp_recaius_ccqa202604.pdf

㉛SMBCグループ|生成AIによる顧客対応の高度化と業務効率化

SMBCグループでは、コールセンター業務の高度化・効率化を目的として、生成AIを活用した業務改革を進めています。

2025年3月から、顧客からの照会内容をAIが要約し、回答案を生成する仕組みの導入に取り組んでいます。

あわせて、生成AIへの投資や業務全体へのAI活用を推進し、個別業務だけでなく業務プロセス全体へのAIエージェント活用も進めています。これにより、コールセンターにおける顧客対応の高度化と業務効率化を図る取り組みとして展開されています。

参考:https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/siryou/20250618/03.pdf

㉜JR西日本カスタマーリレーションズ|3業務で後処理時間を18~54%削減の実証実験

JR西日本カスタマーリレーションズでは、月間約7万件の電話問い合わせについて、応対後にオペレーターが通話内容を要約し、スーパーバイザーが確認していたため、後処理の負担と要約品質のばらつきが課題でした。

言語生成AIを導入し、音声認識で書き起こしたテキストから要約案を自動生成する仕組みを構築しました。

実証実験では、問い合わせ、ご意見・ご要望、介助申込の3業務で後処理時間を18〜54%削減できました。要約作成・確認負荷の軽減に加え、要約品質の均質化とVOC分析への活用も見込まれています。

参考:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/20230921_00_press_customercenter_ai.pdf

2.海外のAIコールセンター事例

(1)IKEA|AIチャットボット導入後に8,500人をリスキリングし新たな収益を創出

IKEAでは、AIチャットボットを導入し、顧客からの問い合わせの47%を自動対応できるようになったことで、コールセンター業務の一部が不要になる状況となりました。

しかし人員削減ではなく、従業員への投資を選択し、8,500人のコールセンター従業員をリモートのインテリアデザインコンサルタントへ再教育しました。

また、複雑な問い合わせには、共感力や創造的な問題解決力を活かせるようスキル強化を実施しました。その結果、AI導入による人員削減を行うことなく全従業員を維持し、新たに14億ドルの売上を創出しました。さらに、4,000人以上がAI研修を修了するなど、継続的なAI活用人材の育成も進めています。

参考:https://www.eleviamedia.com/usecases/IKEA-AI-Case-Study-Social.pdf

(2)The Home Depot|AI音声エージェントで電話応対を高速化し購買支援を強化

The Home Depotは2026年4月、Google Gemini for Customer Experienceを活用したAI音声エージェントを米国店舗向けに導入しました。

従来の電話メニューを廃止し、顧客が用件を自然な言葉で伝えるだけで、注文状況の確認や在庫確認、店舗案内、サービス依頼の受付などに対応します。

また、顧客の要望に応じてリアルタイムの在庫情報をもとに買い物カートを作成し、商品リンクの送信や電話での購入手続きも支援します。実証実験では50店舗で導入され、AIは10秒未満で問い合わせ内容を把握し、従来の電話メニューと比べて約4倍速く解決につながる結果となりました。さらに、店舗スタッフの業務負荷軽減と満足度向上にもつながっています。

参考:https://corporate.homedepot.com/news/company/say-bye-traditional-phone-menu

(3)Frontier Airlines|AIチャットエージェントで顧客対応を効率化し顧客満足度を向上

Frontier Airlinesでは、年間15~30%の成長に伴い、コンタクトセンターの人員確保や繁忙期の問い合わせ対応が課題となっていました。

電話対応ではオペレーターが1件ずつしか応対できず、需要の増加への対応が困難だったため、CognigyのAIチャットエージェントを導入しました。

AIが予約確認や予約変更、手荷物に関する問い合わせ、返金対応を行い、必要に応じてチャットで有人オペレーターへ引き継ぐ体制を構築しています。AIは同時に多数の問い合わせへ対応できるため、月間約80万件の会話を処理し、コンタクトセンターの運営効率を向上させました。
また、NPSの向上や問い合わせ解決率の改善、コスト効率の向上に加え、平均処理時間(AHT)は過去5~6年で最も低い水準となりました。

参考:https://www.cognigy.com/en/case-study/frontier-airlines

3.事例からみたコールセンターのAI導入の成功パターン

35の事例を横断すると、成果を上げている企業には共通する5つのパターンが存在します。

ここでは、事例からみたコールセンターのAI導入の成功パターンについて解説します。

(1)呼量が多く定型的な業務から自動化している

集荷依頼や各種証明書の再発行受付、配送状況の確認など、聞き取る項目や対応フローが明確で、かつ問い合わせ件数が多い業務から優先的にAIを導入することで、全体の応対件数の中で大きな割合を占める業務を効率化し、コスト削減や応答率改善といった効果が体感できます。

こうしたスムーズなフローを実現するには「件数が多い」「フローが単純」「判断が不要」といった条件で優先順位を付け、段階的に導入する設計が重要です。

(2)電話は音声AI、テキストはチャットボットと使い分けている

電話での問い合わせには音声AI(ボイスボット)、Webサイトやアプリ、LINEなどのテキストチャネルにはチャットボットを導入するなど、問い合わせチャネルごとに最適なAIを使い分けることで、ユーザーは従来と同じ手段で問い合わせができ、利用ハードルを下げながら自動化を進めることができます。

さらに、チャネルごとにそれぞれに適したシナリオ設計やUI設計を行うことで、解決率の向上にもつながっています。

全体設計において現場にあわせたAIの選定を行い、チャネル横断での最適化を検討することが重要です。

(3)AIは一次受付、複雑対応は有人と切り分けている

個別判断や例外対応、クレーム対応など高度な判断が必要なケースのみオペレーターへ引き継ぐことで、応対品質と業務効率を両立できます。

実際の運用では、「一定回数理解できなかった場合」「特定のキーワードが含まれる場合」「ユーザーが有人対応を希望した場合」など、具体的なエスカレーション条件を設けているケースが一般的です。

導入前にこれらの基準を明確にし、AIと有人対応の役割分担を設計しておくことで、ユーザー体験を損なわずにスムーズな運用を実現できます。

(4)削減ではなく高付加価値業務・育成へシフトしている

成果を上げている企業では、AI導入を業務構造そのものの再設計と位置づけています。

AIによって空いたリソースを、顧客の状況に応じた最適な提案を行うアップセル・クロスセル対応、顧客体験を向上させるためのフォローアップ対応など、人ならではの価値が発揮される領域にシフトさせています。

さらにAIと人が役割分担する前提で業務プロセスを再構築し、KPIを顧客満足度や提案成功率へとシフトさせることで、組織全体としての価値創出力を高めることができます。

(5)現場が改善できるKPI設計と運用体制を構築している

現場担当者がシナリオやナレッジを更新できる仕組みを整え、問い合わせ内容やサービス変更に合わせて柔軟に運用を改善することで、継続的な改善活動に組み入れることが可能となります。

そのため、AIサービスの導入時には現場が継続的に改善できる運用体制かどうかまで踏まえて評価することが重要です。

例えば、シナリオやFAQを専門知識がなくても更新できるか、回答ログやAI完結率、有人対応への引き継ぎ率などを管理画面で確認できるか、改善結果を継続的に検証できるかといった点まで確認することで、導入後の運用負荷を抑えながら改善を続けやすくなります。

4.まとめ

コールセンターのAI導入は、電話応答の自動化の他にも、応答率の向上や24時間365日対応、オペレーター負荷の軽減、応対品質の向上など、さまざまな目的で導入が進んでいます。

コールセンターにおいてAIサービスの導入を検討する際は、自社の問い合わせ内容や業務フローを整理したうえで、どの業務をAI化するか、どの業務を有人対応とするかを明確にし、自社の運用に適したサービスを選定することが重要です。

株式会社ストラーツの「電話応対AIサービス」は、AIによる電話一次対応の自動化をはじめ、24時間365日対応、既存システムとの連携、会話内容のテキスト化などにより、コールセンターの人件費や対応時間の削減を支援します。

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