コールセンターの外注先は、委託したい業務の範囲と月間のコール数によって適した会社が変わります。本記事では、コールセンターの外注先を種類別に比較し、費用や自社運営との違いも含めて外注先を判断するための情報を解説します。なお、大手委託会社の多くは業務内容や入電数に応じた個別見積もりのため、料金を公開していません。費用の目安は、料金を公開している外注先の参考価格をもとに整理しています。
1.コールセンター外注で委託できる業務
コールセンターの外注では、ユーザーからの電話を受けるインバウンド業務と企業から電話をかけるアウトバウンド業務のどちらも委託できます。電話以外のメールやチャットへの対応やセンターの立ち上げそのものを任せられる委託会社もあります。
| 業務 | 具体例 |
|---|---|
| インバウンド業務 | 商品・サービスの問い合わせ対応、注文・予約の受付、代表電話の一次受付、テクニカルサポート |
| アウトバウンド業務 | 新規顧客へのテレアポ、購入後のフォローコール、料金の督促、アンケート調査 |
| メール・チャット対応などの周辺業務 | メール・チャット・SNSでの問い合わせ対応、応対記録の入力、FAQの作成・更新 |
| センターの立ち上げ・運営設計 | 業務フローとマニュアルの作成、オペレーターの採用・研修、システムの選定、KPIの設計 |
インバウンド業務は、外注先に任せる範囲によって、自社で準備するものと外注先に渡す権限が変わります。範囲を広げるほど外注先で完結する件数は増えますが、準備にかかる工数と費用も増えます。
| 委託範囲 | 外注先の対応 |
|---|---|
| 一次受付のみ | 用件と連絡先を聞き取り、社内の担当者へ引き継ぐ |
| 定型的な回答まで | FAQやマニュアルに沿って回答し、回答できない問い合わせを引き継ぐ |
| 手続きの完了まで | 注文・予約・登録内容の変更などを受け付け、システムに入力 |
返金や契約条件の変更など社内の判断が必要な対応や、二次対応が必要なクレームは、外注先に任せる範囲から外し、自社に引き継ぐ業務として事前に線引きします。
手続きの完了まで任せる場合は、外注先に顧客データの閲覧・入力権限を渡すことになります。操作できる画面や項目の範囲と、誰がいつ操作したかを記録する方法を契約前に取り決めます。
2.コールセンター外注先の比較15選
コールセンターの外注先は、有人で幅広い業務を受託する大手委託会社、電話の一次対応を自動化するAI電話応対サービス、小規模な窓口向けの電話代行の3種類に分けられます。
(1)大手コールセンター委託会社
①アルティウスリンク
アルティウスリンクは、国内76拠点・世界7か国で約33,000席の体制で、14言語以上の多言語対応や在宅コンタクトセンターに対応しています。
電話対応に加えて、アウトバウンドコールやインサイドセールス、経理などのバックオフィス業務まで委託でき、顧客対応と社内業務をまとめて外注したい場合に候補になります。
| 特徴 | ・国内76拠点 ・世界7か国で33,000席 (2026年3月時点) ・14言語以上の多言語対応、在宅コンタクトセンターに対応 ・プライバシーマーク、ISMS認証を取得 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、インサイドセールス、チャット対応、バックオフィス業務 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | アルティウスリンク株式会社 |
②NTTネクシア
NTTネクシアは、官公庁・自治体、金融、情報通信など幅広い業種の窓口を運営しており、25年以上にわたって業務を委託している企業も多いと公表しています。
オペレーター向けのトレーニングプログラムで世界大会の最優秀賞を受賞するなど、応対品質の教育体制に力を入れています。電話対応に加えて、事務処理やデータ入力などのBPO業務も委託できます。
| 特徴 | ・全国20センター、コミュニケーター5,100人(2025年4月時点) ・官公庁・自治体、金融、情報通信などの窓口運営実績 ・トレーニングプログラムで世界大会の最優秀賞を受賞 ・事務処理やデータ入力などのBPO業務にも対応 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、BPO業務、ITヘルプデスク |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | 株式会社NTTネクシア |
③NTTデータ・マーケティングアクト
NTTデータ・マーケティングアクト は、全国13センターのうち複数の拠点を組み合わせて稼働させられるため、大量の架電や受電が発生する業務にも対応しやすい体制です。
インバウンド・アウトバウンドに加えて緊急対応の窓口にも対応し、年末調整や給与計算などのバックオフィス業務も委託できます。
| 特徴 | ・全国13センター・6,000席(2026年7月時点) ・インバウンド、アウトバウンド、緊急対応の窓口に対応 ・年末調整、給与計算などのバックオフィス業務も受託 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、緊急対応、バックオフィス業務 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | 株式会社NTTデータ・マーケティングアクト |
④SCSKサービスウェア
SCSKサービスウェアは、センター運営のノウハウとITソリューション、専門性の高い人材を組み合わせたコンタクトセンターを運営しています。
クラウド型コンタクトセンターシステムの導入支援や、英語・中国語に対応した海外拠点の立ち上げも依頼できます。
| 特徴 | ・全国11都道府県に19センター ・センター運営ノウハウとITソリューションを組み合わせた運営 ・テクニカルサポート、インサイドセールスに対応 ・海外での外国語対応センターの立ち上げを支援 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、テクニカルサポート、インサイドセールス、システム導入支援 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | SCSKサービスウェア株式会社 |
⑤TMJ
TMJは、コンタクトセンターとバックオフィス(事務処理センター)の構築・運営を受託しています。生成AIを活用したサービス群「TMJ Generative Solution」を展開しており、人とAIを組み合わせたセンター運営を相談できます。応対方針とカスタマーハラスメント対応方針を策定・公開している点も特徴です。
| 特徴 | ・センタースタッフ約12,200名(2026年3月時点) ・コンタクトセンターと事務処理センターの構築・運営を受託 ・生成AIを活用したサービス群「TMJ Generative Solution」を提供 ・カスタマーハラスメント対応方針を策定・公開 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、チャット対応、バックオフィス業務 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | 株式会社TMJ |
⑥トランスコスモス
トランスコスモスは、3,000社を超える企業のオペレーションを支援してきた実績を持ち、国内に32拠点・19,350席(2026年9月時点)のコールセンターを保有しています。在宅オペレーションは最大2,600席(2025年5月時点)まで拡大しています。
電話やメールに加えて、SNSやWebチャットなどの窓口にも対応しています。音声認識で通話内容をテキスト化し、要約やVOC抽出に活用するソリューションも提供しています。
| 特徴 | ・国内32拠点・19,350 席、在宅オペレーション最大2,600席 ・SNS、Webチャットを含む複数チャネルに対応 ・音声認識による通話の要約、VOC抽出を提供 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、チャット・SNS対応、電話調査 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | トランスコスモス株式会社 |
⑦ビーウィズ
ビーウィズは、通話内容のリアルタイムテキスト化やFAQの表示など、現場で使う機能を自社のセンターで検証しながら改善しています。
在宅コールセンターの運営や、AI-OCR・RPAを活用した事務処理のBPOにも対応しています。
| 特徴 | ・全国16拠点 ・自社開発のクラウド型PBX「Omnia LINK」でセンターを運営 ・通話のリアルタイムテキスト化、FAQ表示に対応 ・在宅コールセンター、デジタルBPOを提供 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、在宅コールセンター、BPO業務 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | ビーウィズ株式会社 |
⑧富士ソフトサービスビューロ
富士ソフトサービスビューロは、官公庁、金融、通販のコンタクトセンターやテクニカルサポートセンターの運営実績があります。
インバウンド・アウトバウンドに加えて、電話応対やクレーム対応の研修を行う教育・品質サービスも提供しており、自社の窓口担当者の育成も依頼できます。
| 特徴 | ・国内にコンタクトセンター5か所、BPOセンター4か所 ・官公庁、金融、通販、テクニカルサポートの運営実績 ・電話応対、クレーム対応の研修サービスを提供 ・文書の電子化、データ入力などのBPOに対応 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、研修、BPO業務 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | 富士ソフトサービスビューロ株式会社 |
⑨プレステージ・インターナショナル
プレステージ・インターナショナルは、2003年に開設した秋田の拠点を起点に、全国11拠点でBPO事業を運営しています。
電話を受けるコンタクトセンターと、トラブル現場に駆けつけるフィールドサービスを連携させている点が特徴です。自動車メーカーや損害保険会社、不動産会社などの窓口を受託しています。
| 特徴 | ・「お困りごと」の受付から解決までを一貫して対応 ・コンタクトセンターとフィールドサービスを連携 ・国内6県11か所のBPO拠点・総席数6,020席(2026年3月時点) |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、緊急対応、フィールドサービスとの連携、事務処理 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | 株式会社プレステージ・インターナショナル |
⑩ベルシステム24
ベルシステム24は、全国35拠点・約19,000席を運用し、1席から数百席まで繁閑に応じたセンター設計に対応しています。
一次受付のパッケージプランから専任のカスタマイズプランまで参考価格を公開しており、外注費用の目安をつかみやすい点も特徴です。ISO27001とプライバシーマークを取得しています。
| 特徴 | ・全国35拠点・約19,000席を運用 ・1席から数百席まで繁閑に応じたセンター設計が可能 ・24時間365日の稼働や多言語対応に対応 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、アウトバウンド、メール・チャット・SNS対応、バックオフィス業務 |
| 料金 | ・専任業務:1席300,000円~(スペース、人件費込み) ・シェアード業務の一次受付パッケージプラン:74,000円~ ・メール・チャット対応:月間100件100,000円~ |
| 提供元企業 | 株式会社ベルシステム24 |
(2)有人対応と組み合わせられるAI電話応対サービス
⑪AnnVoice Agent
株式会社ストラーツの電話応対AIサービス「AnnVoice Agent」は、AIによる自然な音声対話で、電話受付や問い合わせ対応を24時間365日自動化できるサービスです。名前や電話番号の聞き取り、商品名による対応の分岐などに対応しています。
導入前には、企業ごとの課題把握からシナリオ設計、導入前検証までを実施します。導入後も担当エンジニアが運用状況に合わせてフルカスタマイズするため、有人の外注先との役割分担も含めて電話対応の体制を調整できます。
| 特徴 | ・24時間365日の自動応答で営業時間外も対応 ・導入前の課題把握、シナリオ設計、導入前検証を実施 ・導入後も担当エンジニアがフルカスタマイズで運用を支援 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンドの一次受付、問い合わせ対応、予約・注文受付 |
| 料金 | 初期費用:要お問い合わせ 月額費用:要お問い合わせ 開発協力でフルカスタマイズ無料(基幹システム連携費用のみ発生) |
| 提供元企業 | 株式会社ストラーツ |
⑫AI電話自動応答サービス
AI電話自動応答サービスは、代表電話や注文受付、予約受付などの定型業務を自動化し、夜間・休日や電話が集中してつながらない時間帯の入電にも対応します。
通話内容の文字起こしやメール・SMSでの通知、担当者への転送に対応しており、シナリオ作成から運用後の調整まで支援を受けられます。
| 特徴 | ・代表電話、注文受付、予約受付などの定型業務を自動化 ・通話内容の文字起こし、メール・SMS・Slack・Teamsへの通知 ・着信転送、API連携、運用後の調整に対応 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンドの一次受付、注文・予約受付、夜間・休日の受付 |
| 料金 | スタンダード:初期費用260,000円~、月額費用50,000円~ エンタープライズ:初期費用1,200,000円~、月額費用250,000円~ |
| 提供元企業 | キューアンドエー株式会社 |
⑬DHK CANVAS
DHK CANVASは、FAQはAI、定型業務はシナリオ、クレームはオペレーターというように、問い合わせ内容に応じて対応先を振り分けるサービスです。AIエージェント型とシナリオ型を同じ流れの中で使い分けられます。
既存の電話番号やコールセンターシステムとの連携に対応しており、自動発信による案内などアウトバウンド業務にも活用できます。
| 特徴 | ・AI、シナリオ、有人対応を問い合わせ内容に応じて振り分け ・AIエージェント型とシナリオ型を組み合わせて運用 ・既存の電話番号やコールセンターシステムと連携 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンドの一次受付、FAQ対応、自動発信 |
| 料金 | 要お問い合わせ |
| 提供元企業 | 株式会社電話放送局 |
(3)小規模な窓口向けの電話代行サービス
⑭電話代行サービス株式会社
電話代行サービス株式会社は、月50件程度の小規模な窓口からコールセンター業務を受託しています。
業務内容をヒアリングしたうえで対応マニュアルを作成し、8~12人のオペレーターが1チームで担当します。応対品質を管理するため、在宅オペレーターによる体制は設けていません。
| 特徴 | ・月50件程度の小規模な窓口から対応 ・8~12人のチーム制で担当し、責任者が通話内容を確認 ・ヒアリングをもとに対応マニュアルを作成 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンド、キャンペーン事務局、テクニカルサポートの一次対応 |
| 料金 | 平日9:00~18:00の場合:月間50コールまで25,000円、月間300コールまで95,000円(税別) 月間コール数の超過分:1コール300円~ 月間300コール超:要お見積もり |
| 提供元企業 | 電話代行サービス株式会社 |
⑮テルシンク24
テルシンク24は、個人事業主から企業まで利用できる24時間365日対応の電話代行サービスです。一次受付や担当者への転送に加えて、マニュアルに基づく問い合わせ対応、クレームの一次対応、緊急時のエスカレーションに対応しています。
スタンダードプランでは、料金や納期などのよくある質問(最大10項目)にオペレーターが回答します。業種別のパッケージも用意されています。
| 特徴 | ・24時間365日の有人電話受付に対応 ・一次受付、担当者転送、クレーム一次対応、緊急エスカレーション ・よくある質問への回答に対応するプランを用意 |
|---|---|
| 対応業務 | インバウンドの一次受付、問い合わせ対応、予約受付 |
| 料金 | スタンダードプラン(9時~19時・月50件の料金例):月額16,500円(税抜) 予約受付(24時間対応・月50件の料金例):月額37,500円(税抜) |
| 提供元企業 | アフターコールナビパートナー合同会社 |
3.自社に合うコールセンター外注先の選び方
コールセンターの外注先を比較する際は、料金だけでなく、運用形態、品質管理と報告の仕組み、セキュリティ体制、稼働開始までの期間を確認しましょう。
(1)月間コール数と繁閑差から料金体系を選ぶ
コールセンター外注の料金体系は、月間のコール数と、時期や時間帯による入電数の差によって向き不向きが分かれます。
| 料金体系 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 月間の上限コール数までは定額、超過分は1コールごとに加算 | 入電数が毎月ほぼ一定で、上限を超えにくい |
| 従量課金型 | 1コールごと、または対応件数ごとに料金が発生 | 入電数が少ない、または月ごとの変動が大きい |
| 席単価型 | 専任オペレーター1席ごとに月額料金が発生 | 入電数が多く、専門的な対応が必要 |
料金体系を選ぶ前に、次の情報を整理します。
- 月間の入電件数と1件あたりの平均通話時間
- 時間帯別・曜日別の入電件数
- 繁忙期と通常期の入電件数の差
- 受付時間(平日のみ、土日祝、24時間など)
- 問い合わせ内容の内訳
入電数の変動が大きい場合、月額固定型では繁忙期に上限を超えて超過料金が発生しやすく、閑散期には使わない枠の分も支払うことになります。変動の幅が大きいほど従量課金型が合いやすく、年間を通じて一定の入電数がある場合は月額固定型や席単価型が候補になります。
繁忙期に備えて、キャンペーンや新商品、料金改定などの予定は、早めに外注先へ共有できる体制を決めておきます。共有が遅れると、増員やマニュアルの更新が間に合いません。
(2)専任型と共有型のどちらで運用するか決める
コールセンターの外注には、自社業務だけを担当するオペレーターを置く専任型と、複数社の業務を同じオペレーターが担当する共有型(シェアード型)があります。
| 運用形態 | 特徴 |
|---|---|
| 専任型 | 自社の商品・サービスを深く理解したオペレーターが対応。費用は高め |
| 共有型 | 複数社で席と人員を共有するため、少ない件数から依頼可能。対応は定型的な内容が中心 |
共有型でスタートし、入電数や問い合わせ内容が固まった段階で専任型へ切り替える方法もあります。大手委託会社の中には、両方の運用形態を用意する場合もあります。
共有型では、オペレーターが回答できる範囲が限られるため、判断に迷う問い合わせを自社へ引き継ぐ基準を事前に決めておく必要があります。
また、引き継ぎ基準とあわせて、引き継ぎの方法(即時転送か折り返しか)、自社の営業時間外の扱いも決めておきます。
(3)応対品質の管理方法と報告体制を確認する
外注すると、ユーザーの声や対応のノウハウが委託先にたまり、自社に知見が残りにくくなります。この状態を防ぐには、委託先がどのような指標で品質を管理し、どの頻度で報告するかを契約前に確認します。
主な確認項目は次のとおりです。
- 応答率、放棄呼率、平均処理時間などの管理指標
- 日次・週次・月次の報告内容と形式
- 通話録音や応対履歴を自社で確認できるか
- 問い合わせ内容の分類やユーザーの声(VOC)の共有方法
- 定例会の頻度と、改善提案を受けられるか
- マニュアルやFAQを更新する際の手順と期間
応対履歴や問い合わせの傾向を定期的に受け取れば、商品やサービスの改善に活かせるほか、将来的に自社運営へ戻す際の材料にもなります。
(4)個人情報の取り扱いとセキュリティ体制を確認する
コールセンターの外注では、ユーザーの氏名や連絡先、問い合わせ内容を委託先が取り扱います。個人情報の保護に関する法律では、個人データの取り扱いを委託する場合、委託元に委託先を監督する義務が課されています。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 第三者認証 | プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)の取得状況と認証範囲 |
| センターの物理的対策 | 入退室管理、私物の持ち込み制限、防犯カメラ |
| 在宅オペレーターの対策 | 専用端末、通信の暗号化、画面の覗き見防止 |
| 従業員教育 | 個人情報保護に関する研修の内容と頻度 |
| 再委託 | 業務の一部を別の会社へ再委託するかどうか |
第三者認証は、取得していても認証範囲に自社の業務を担当するセンターが含まれているかを確認します。契約時には、秘密保持契約の締結と、個人データの取り扱いに関する条項が委託契約に含まれているかも確認が必要です。
(5)希望する時期までに稼働を始められるか確認する
準備期間は業務範囲や席数によって変わるため、見積もりの段階で稼働開始までのスケジュール提示を求め、自社の希望時期に間に合うかを比較します。
たとえば、電話代行サービス株式会社は利用開始までおおよそ10日前後としています。大規模な窓口では、オペレーターの採用やシステムの構築も加わるため、準備期間はさらに長くなり、目安は見積もりの段階で確認する必要があります。また、立ち上げ期は、マニュアルやFAQの作成、研修、テスト通話の確認など、自社側にも担当者の工数がかかります。
| 手順 | 自社で準備するもの |
|---|---|
| 1.業務の整理 | 入電件数、問い合わせ内容の内訳、自社へ引き継ぐ基準 |
| 2.見積もり依頼・委託先の決定 | 委託条件をまとめた依頼書、各社の比較表 |
| 3.契約 | 業務委託契約、秘密保持契約の内容確認 |
| 4.マニュアル作成・研修 | 商品・サービスの資料、FAQ |
| 5.テスト稼働・本稼働 | 応対内容の確認担当者、報告を受ける窓口担当者 |
4.コールセンター外注の費用相場
コールセンター外注の費用は、月間のコール数、受付時間、専任か共有かといった運用形態によって大きく変わります。本記事内で参考価格が公開されている有人の外注先を見ると、月額費用は16,500円から600万円以上が目安です。
大手委託会社の多くは料金を公開しておらず、業務内容と入電数をもとにした個別見積もりとなります。以下の金額は各社が公開している最低価格や料金例であり、実際の費用は委託条件によって変わります。
本記事内で参考価格を確認できるインバウンド業務の料金は、次のとおりです。コール数が示されているプランは、1件あたりの目安も算出しています。
| サービス・プラン | 月額費用 | 1件あたりの目安 |
|---|---|---|
| テルシンク24 スタンダードプラン 9時~19時・月50件の料金例 | 16,500円(税抜) | 330円 |
| 電話代行サービス株式会社 平日9:00~18:00 月間50コールまで | 25,000円(税別) | 500円 |
| テルシンク24 予約受付 24時間対応・月50件の料金例 | 37,500円(税抜) | 750円 |
| ベルシステム24 一次受付パッケージプラン | 74,000円~ | 記載なし |
| 電話代行サービス株式会社 平日9:00~18:00 月間300コールまで | 95,000円(税別) | 約317円 |
| ベルシステム24 問い合わせ対応 月間300件(3席) | 250,000円~ | 約833円 |
| ベルシステム24 専任業務 1席 | 300,000円~ | 記載なし |
| ベルシステム24 問い合わせ対応 月間10,000件(15席) | 6,000,000円~ | 600円 |
※料金は2026年11月時点で各社の公式サイトに掲載されている内容です。税込・税抜の表記は各社の掲載に合わせており、ベルシステム24は税の記載がない参考価格です。受付時間・通話時間・業務範囲が異なるため、1件あたりの目安は単純に比較できません。
月額料金のほかに、マニュアル作成や研修などの初期費用、上限コール数を超えた場合の超過料金、時間外や年末年始の割増料金、専用電話番号の貸出料金などが発生する場合があります。見積もりは、想定する入電数と受付時間を当てはめた年間の総額で確認します。
5.コールセンター外注と自社運営の比較
コールセンターを外注すると、設備やシステム、オペレーターの採用・教育を委託先の体制で賄えるため、窓口の立ち上げにかかる費用と期間を抑えられます。入電数の増減に合わせて席数を調整しやすく、社内の担当者は電話対応から離れて本来の業務に集中できます。
一方で、ユーザーとのやり取りが委託先に集まるため、応対のノウハウが社内に残りにくい点には注意が必要です。自社運営やAIの活用と比べると、それぞれ次のような違いがあります。
| 比較項目 | 外注 | 自社運営 | AI電話応対の活用 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 委託先の設備を使うため、比較的少ない | 設備、システム、採用の費用が発生 | シナリオ設計やシステム連携の費用が発生 |
| 立ち上げ期間 | 小規模なら10日前後の例もあり、規模に応じて長期化 | 採用と研修が必要なため長期化しやすい | シナリオ設計と検証の期間が必要 |
| 繁閑への対応 | 委託先の人員で増減を吸収しやすい(事前の情報共有が前提) | 繁忙期に合わせた人員確保が必要 | 同時着信にも対応しやすい |
| 対応できる内容 | マニュアル化できる問い合わせが中心 | 専門的な判断や柔軟な対応が可能 | 定型的な受付や案内が中心 |
| ノウハウの蓄積 | 報告体制がなければ社内に残りにくい | 社内に蓄積しやすい | 通話データとして蓄積できる |
| 向いている企業 | 入電数の変動が大きい、早く窓口を開設したい | 機密性や専門性の高い問い合わせが多い | 定型的な問い合わせが多く、24時間対応したい |
どの方法にも得意な領域と不得意な領域があるため、問い合わせ内容ごとに対応先を分ける方法も選択肢になります。
たとえば、営業時間の案内や予約受付などの定型的な内容はAIが一次受付し、マニュアルで回答できる問い合わせは外注先のオペレーター、専門的な判断が必要な相談は社内の担当者が対応するという分担です。問い合わせ内容の内訳を整理しておくと、外注する範囲と自社に残す範囲を判断しやすくなります。
6.まとめ
コールセンターの外注先は、大手委託会社、AI電話応対サービス、電話代行の3種類に分けられ、委託したい業務の範囲と月間のコール数によって適した外注先が変わります。選定時は、料金体系、専任型か共有型か、品質管理と報告の体制、セキュリティ体制、稼働開始までの期間を比較し、見積もりは想定する入電数を当てはめた年間の総額で確認することが重要です。
株式会社ストラーツの電話応対AIサービス「AnnVoice Agent」は、注文や予約、問い合わせなどの電話に24時間365日対応でき、名前や電話番号などのヒアリング、会話内容の文字起こしや通知、既存システムとの連携にも対応しています。
定型的な問い合わせをAIが受け付け、マニュアルで回答できる内容は外注先のオペレーター、専門的な判断が必要な内容は社内の担当者へ引き継ぐことで、外注する業務の範囲を絞り込めます。導入前の課題把握やシナリオ設計、検証に加え、導入後も担当エンジニアが業務内容に合わせて継続的にカスタマイズします。コールセンターの外注とAIを組み合わせて、委託する範囲や席数を見直したい場合は、ぜひご相談ください。


















