コールセンターで多言語対応を導入すると、外国人顧客からの問い合わせ対応漏れを防ぎ、対応言語の幅に左右されずに顧客対応の品質を維持できます。本記事では、コールセンターで多言語対応を実現する3つの方法と、自社に合ったサービスを選定するための確認ポイント、導入時の注意点を解説します。
株式会社ストラーツの「電話応対AIサービス」は、AIによる自由発話対応を活用し、多言語での定型的な電話受付や一次対応の自動化を支援します。対応言語や問い合わせ内容、有人対応への引き継ぎフローなどを、自社の運用に合わせて設計できます。コールセンターの多言語対応をAIで効率化したい場合には、ぜひご相談ください。

1.コールセンターで多言語対応を実現する方法

コールセンターの多言語対応は、AIによる自動対応、電話通訳サービスの活用、有人オペレーターによる対応の3つの方法に大別されます。
各方法は対応可能な問い合わせの難易度や運用コスト、導入までの期間が異なるため、自社の問い合わせ内容や対応体制に応じて選択する必要があります。
(1)AIによる自動対応
AIによる自動対応は、自然言語処理の技術を用いて、AIが一次対応を行う方法です。
対応形式は、電話による音声対応と、Webサイト上のチャットボットによるテキスト対応の2種類に分かれます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| AIボイスボット | ・会話の文脈を踏まえた応答が可能 ・定型外の質問にも一定範囲で対応できる場合がある ・自動文字起こしや要約などデータ活用につながる | ・周囲の雑音や発話の明瞭さが影響する場合がある ・対応言語数や認識精度はサービスごとに異なる |
| AIチャットボット | ・電話回線を介さないため、通話料や対応時間の制約を受けない ・対応可能な言語数を拡張しやすい ・Webサイトへの設置のみで導入でき、利用者側のアプリ導入が不要な場合が多い | ・電話による問い合わせには対応できず、別チャネルでの一次受付に限定される ・利用者がチャットボットの存在に気づき、能動的に利用する必要がある |
営業時間や店舗情報の案内といった定型的な問い合わせが特に適しており、24時間体制で多言語の一次受付体制を構築できます。
| 導入難易度 | ★☆☆☆☆ |
|---|---|
| 対応可能な問い合わせの複雑度 | 定型的な問い合わせのみが一般的 |
| 必要な自社側の体制 | 初期設定と、想定外の質問が発生した際の引き継ぎ先の整備 |
(2)電話通訳サービスの活用

電話通訳サービスの活用は、通訳オペレーターが自社の担当者と顧客の間に入り、三者間通話の形式で外国語のやり取りを通訳する方法です。自社オペレーターが日本語で対応しながら、通訳オペレーターが外国語に変換するため、契約内容の確認や金融・医療分野など正確性が求められる業務にも対応しやすい点が特徴です。
自社担当者が通話に同席するため、やり取りの内容をリアルタイムで確認できる一方、対応のたびに自社オペレーターの稼働が必要になります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 三者間通話 | ・自社担当者がやり取りの内容をリアルタイムで確認できる ・契約内容の確認や金融・医療分野など正確性が求められる業務に対応しやすい | ・自社オペレーターが通話に同席する必要があり、人員を確保する必要がある ・対応するコール数が増えるほど、自社側の稼働時間も比例して増える |
導入時には、対応言語数に加えて、通訳オペレーターが業界特有の用語や専門知識にどの程度対応できるかを確認する必要があります。
料金は通話時間やコール数に応じた従量課金が一般的であり、月間の想定コール数に基づいて費用を見積もる必要があります。
| 導入難易度 | ★★★★☆ |
|---|---|
| 対応可能な問い合わせの複雑度 | 専門性を要するが自社担当者が同席可能な問い合わせ |
| 必要な自社側の体制 | 通訳との三者間通話に対応できる自社オペレーターの配置 |
(3)有人オペレーターによる対応

有人オペレーターによる対応は、多言語対応スキルを持つオペレーターが顧客対応を直接、単独で担当する方法です。
この方法は、自社で多言語人材を採用・育成する方式と、多言語対応のコールセンターを運営する事業者に業務委託する方式に分かれます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 自社採用 | ・自社の対応品質や応対方針をそのまま多言語対応に反映できる ・委託先を介さないため、情報管理や対応フローを自社内で統制できる | ・多言語対応スキルを持つ人材の確保が難しい ・採用後の研修体制の構築や、人件費などの継続的なコストが発生する |
| 業務委託 | ・人材の採用・育成を委託先に任せられる ・自社オペレーターが対応に同席する必要がなく、稼働を割かずに運用できる ・委託先によっては希少言語への対応や、緊急時のエスカレーション体制が整っている | ・対応品質が委託先の研修体制や品質管理に依存する ・委託範囲(一次対応のみか、トラブル対応まで含むか)によって契約形態や費用が変動する |
電話通訳サービスとは異なり、自社担当者が通話に同席しないため、対応のたびに自社側の稼働を割く必要がありません。
ただし自社採用の場合は人材確保の難易度とコストが課題になりやすく、業務委託の場合は委託先の対応言語数や品質管理体制の確認が必要です。
| 導入難易度 | ★★★☆☆ |
|---|---|
| 対応可能な問い合わせの複雑度 | 専門知識や交渉を要する問い合わせ全般 |
| 必要な自社側の体制 | 多言語人材の採用・育成体制、または委託先の選定と品質管理体制 |
2.コールセンターの多言語対応方法の選び方

多言語対応の方法を選定する際は、対応言語、サポート体制、個人情報保護体制、導入・運用コストの4つの観点から比較検討する必要があります。
これらの観点は、いずれもサービス選定後に契約内容を変更する際の調整コストに直結するため、契約前に確認しておく必要があります。
(1)対応言語と対応チャネルを確認する
自社の顧客層に必要な言語が対応範囲に含まれているかを確認するとともに、対応チャネルが音声のみか、チャット・メール・SNSなど他チャネルにも対応しているかを確認する必要があります。確認すべき軸は以下の通りです。
| 主要言語 | 自社の顧客層に多い言語(英語・中国語・韓国語など)が対応範囲に含まれているか |
|---|---|
| 希少言語への対応が必要な場合 | 対応可能な事業者の選択肢自体が絞られるため、言語の確認を選定プロセスの最初に行う必要がある |
| 対応チャネル | 音声のみの対応か、チャット・メール・SNSなど他チャネルにも対応しているか |
対応言語の絞り込みは、既存の問い合わせ履歴やWebサイトのアクセス解析から、言語別の問い合わせ件数・閲覧言語の比率を抽出するなどで事業者への問い合わせ前に自社側で完了させておく必要があります。
(2)対応範囲を確認する
対応範囲については、定型的な問い合わせのみを対象とするか、専門知識を要する問い合わせやクレーム対応まで含めるかを事前に整理しておく必要があります。
対応範囲の解釈の齟齬は、運用開始後にクレーム対応のたびに発生し、自社側の対応負荷を増大させる要因になるため、必ず事前に確認しておくことが求められます。
(3)サポート体制を確認する
サポート体制の確認では、対応時間帯と緊急時のエスカレーション体制を確認する必要があります。24時間365日対応か、平日の営業時間内のみの対応かによって、自社の問い合わせ発生時間帯との整合性を検討する必要があります。
また、想定外のトラブルが発生した際のエスカレーション体制についても、契約前に具体的な運用フローとして確認しておく必要があります。確認すべき項目は以下の3点です。
| 誰が引き継ぐか | 委託先の担当者から自社側の誰にエスカレーションされるか |
|---|---|
| どのような条件で引き継ぐか | AIや通訳サービスでは対応できないと判断する基準 |
| どのくらいの時間で引き継ぐか | トラブル発生からエスカレーションまでの想定時間 |
この3点が曖昧なまま運用を開始すると、トラブル発生時に委託先と自社のどちらが対応すべきかの判断が現場で滞り、顧客対応の遅延に直結するため、自社側の引き継ぎ担当者と連絡経路(電話・チャットツールなど)もあわせて取り決めておく必要があります。
(4)個人情報保護体制を確認する
個人情報保護体制の確認では、サービス提供事業者における個人情報の取得、利用、保管、第三者提供に関する方針を確認する必要があります。コールセンターでは顧客の氏名、連絡先、相談内容などの個人情報を取り扱うため、個人情報の保護に関する法律に基づく適正な取り扱いが行われているかを確認する必要があります。
| 保存期間 | 会話データ・録音データの保存期間と、契約終了後のデータ取り扱い |
|---|---|
| 保管場所 | データの保管場所が国内か海外か、海外サーバーの場合は移転先の国における制度や契約書上の取り決め |
| 第三者への提供範囲 | 委託先からさらに別の事業者へデータが渡る場合の範囲 |
| アクセス権限 | 録音データやチャット履歴の閲覧権限が委託先内のどの範囲の担当者に付与されているか、自社からの削除依頼への対応可否 |
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークなどの第三者認証の取得状況も、客観的な判断材料となります。
第三者認証を取得していない事業者であっても、個人情報の取り扱いに関する社内規程や監査体制を独自に整備している場合があるため、認証の有無だけで判断せず、規程の有無や運用実態を合わせて確認しておく必要があります。
(5)導入・運用コストを確認する
導入・運用コストの確認では、初期費用と月額費用に加えて、課金形態を確認する必要があります。多言語対応サービスの費用は、以下の要素によって変動するため、自社の利用想定に基づいた見積もりを取得する必要があります。
| 対応言語数 | 契約する言語数によって費用が変動する |
|---|---|
| 対応チャネル数 | 音声のみか、チャット・メール・SNSなど複数チャネルに対応するかによって費用が変動する |
| 対応時間帯 | 24時間365日対応か、限定時間帯の対応かによって費用が変動する |
| 想定コール数 | 月間の想定コール数によって費用が変動する |
また、見積書に記載されていない費用として、初期設定費、通話料、システム連携費、最低契約期間内の解約に伴う費用などが別途発生する場合があるため、見積もり取得時には「見積書に含まれる範囲」を明示してもらう必要があります。
3.コールセンターの多言語対応で活用できるサービス
(1)AIによる自動対応
①電話応対AIサービス

電話応対AIサービスは、クラウド型コンタクトセンター構築サービスです。顧客企業ごとの業務ニーズに合わせてフルカスタマイズ開発が可能なため、多言語での問い合わせ対応フローも含め、自社の運用に合わせた設計ができます。AIによる音声認識技術を活用し、名前・住所・日時・電話番号などの聞き取りや、リアルタイムの自動文字起こし・自動要約に対応しています。
専門の技術スタッフが直接ヒアリングを行い、システムをゼロから提案・構築するため、多言語対応の範囲や対応フローについても、導入企業の問い合わせ実態に合わせて個別に設計できます。
| 特徴 | ・フルカスタマイズ対応 ・AIによる自動文字起こし ・要約機能・基幹システム連携が可能 |
|---|---|
| 料金 | 基幹システム連携費用のみ発生(詳細は要問い合わせ) |
| 提供元企業 | 株式会社ストラーツ |
②アイブリー
アイブリーは日本語に加えて英語・中国語・韓国語の音声案内に対応しています。日本語の後に多言語の案内音声を流すことで、外国語が話せるスタッフを置かずに多言語の電話対応を実現できます。
読み上げテキストを用意するだけで多言語案内音声を設定できるため、すでにアイブリーを利用している場合には手軽に多言語対応を開始できます。
| 特徴 | ・英語・中国語・韓国語の音声案内に対応 ・読み上げテキストのみで多言語設定が可能 ・24時間365日の自動応答 |
|---|---|
| 料金 | 月額2,980円〜(多言語対応はオプション、別途電話番号維持費等が発生) |
| 提供元企業 | 株式会社IVRy |
(2)電話通訳サービス
③多言語コールセンターサービス
多言語コールセンターサービスは、英語・中国語・韓国語・ベトナム語・タイ語・スペイン語・ポルトガル語をはじめとする多言語に対応しています。
月間数件から数千件まで幅広い規模に対応できるため、小規模な導入から大規模なコンタクトセンター運用まで検討できます。
| 特徴 | ・多言語対応(英語・中国語・韓国語・ベトナム語・タイ語など) ・三者間通話・タブレット通訳に対応 ・電話以外のチャネル(メール・SNS・チャット)にも対応 |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ |
| 提供元企業 | 株式会社ベルシステム24 |
④電話通訳ハローライン
電話通訳ハローラインは、英語・中国語・韓国語・タイ語・フランス語・スペイン語・ベトナム語を含む20か国語に対応しており、通訳コールセンターを24時間365日稼働できます。
携帯・固定電話を問わず、通訳オペレーターに電話するだけで利用できるため、観光・宿泊・小売など外国人客対応が発生する店舗での導入に適しています。
| 特徴 | ・20か国語に対応 ・24時間365日稼働 ・事前登録のみで最短翌日から利用可能 |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ |
| 提供元企業 | ArkWorld株式会社 |
(3)有人オペレーターによる対応
⑤統合型多言語コールセンターサービス
統合型多言語コールセンターサービスでは、一般的な問い合わせ対応に加え、24時間対応の緊急ホットラインの設置や、災害時の避難誘導・応急処置に関する多言語ガイダンスなど、緊急時対応に特化したプランも用意されています。
| 特徴 | ・希少言語を含む幅広い対応言語 ・緊急時対応・危機管理に特化したプランあり ・自治体・公共機関での導入実績 |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ※最低契約期間は原則6ヶ月〜 |
| 提供元企業 | 株式会社インジェスター |
⑥多言語コールセンター
多言語コンタクトセンターは、英語をはじめ、中国語・スペイン語など多様な言語に対応し、三者間通話によるカスタマーサポートを日本語と同等水準で構築・運用をめざすことが可能です。
問い合わせ内容に応じて必要な言語や対応スキルを定義し、お客様企業の業務に適した人材の採用・育成を行っています。
| 特徴 | ・英語・中国語・スペイン語など多言語対応 ・三者間通話によるカスタマーサポート ・業務内容に応じた人材の採用・育成体制 |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ |
| 提供元企業 | アルティウスリンク株式会社 |
4.コールセンターの多言語対応に関する注意点

多言語対応を導入する際は、翻訳精度の限界、文化的背景の違いへの配慮、緊急時・トラブル時に体制が機能しないリスクの3点に留意する必要があります。
これらはいずれもサービス導入後の運用品質に影響する要素であり、契約前の検討段階で対応方針を固めておく必要があります。
(1)翻訳精度の限界
AIによる自動翻訳や音声認識には精度の限界があり、業界特有の専門用語や固有名詞の認識率が低下する場合があります。
また医療、金融、法律など専門性の高い分野では、誤訳が顧客とのトラブルに直結する可能性があるため、AIによる一次対応の範囲を定型的な問い合わせに限定し、専門的な内容は有人オペレーターまたは通訳サービスに引き継ぐなどの有人対応を前提とする運用設計が必要です。
(2)文化的背景の違いへの配慮
敬語表現の有無や、商習慣、宗教上の制約などは言語によって異なるため、画一的な対応では顧客満足度の低下につながる可能性があります。
問い合わせ対応において文化的配慮が求められる場合には、対応言語のネイティブスタッフが在籍しているか、文化的背景を踏まえた研修が行われているかを確認する必要があります。
(3)緊急時・トラブル時の対応フロー整備
エスカレーション体制や引き継ぎ担当者をあらかじめ取り決めていても、実際の運用では、その想定を超える事案が発生する可能性があります。
例えば、AIや通訳サービスが対応できないと判断する基準自体に該当しない、想定していなかった種類の問い合わせや、複数の問題が同時に発生するケースでは、事前に定めたフローのどの段階に当てはめるべきか、現場での判断が割れることがあります。
また、緊急時には通常よりも対応のスピードが求められるため、平常時には機能していたエスカレーションの連絡経路や引き継ぎ担当者が、深夜帯や担当者不在のタイミングでは機能しない場合があります。
他にも、運用が一定期間続く中で、委託先側の担当者の入れ替わりや、自社側の体制変更によって、整備した体制と実際の運用がずれていく可能性もあります。
これらのリスクを抑えるためには、定期的に委託先と運用状況を確認し、想定外の事案が発生した際の対応実績を踏まえてフローを見直す運用が必要です。
5.コールセンターにおける多言語対応の導入事例
(1)一宮市:自治体・行政窓口

外国人住民が市役所の窓口を利用する際、通訳者の同伴が必要でした。通訳者を確保できない場合、本人が単独で来庁することが難しく、行政手続きが滞る要因になっていました。
2016年、尾張地区で初めてテレビ電話による通訳サービスを導入し、本庁舎や分庁舎の窓口にタブレット端末を設置しました。対応言語は英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・フランス語・ベトナム語など12言語で、対応言語外の来庁者には多言語音声翻訳アプリを併用しています。
通訳者の同伴なしで外国人住民が単独で来庁できるようになり、窓口対応時間の短縮と職員の事務負担軽減につながりました。年度別の相談件数実績は平成28年度の46件から平成30年度には162件に増加しており、サービスの周知に伴って利用が広がったことが分かります。
参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000612056.pdf
(2)大阪府:観光案内における事例

急増する訪日外国人旅行者からの観光地アクセスや周辺施設に関する問い合わせに対し、人手による多言語対応では対応量・対応言語数の両面で限界がありました。
大阪公式観光情報サイト「osaka-info」に、20言語以上に対応する生成系AIチャットボットを導入しました。観光地へのアクセス方法や周辺施設の案内など、旅行者からの問い合わせに自然な言葉で回答する仕組みです。Webサイト上での提供のため、利用者はアプリのダウンロードを必要とせず、ブラウザの言語設定に応じて表示言語が自動で切り替わります。
導入後3日間で利用件数が導入前の1.5倍に増加し、多言語対応の需要の高さが裏付けられました。
参考:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/043/421/07_260311siryou1-2.pdf
(3)福岡県:飲食・観光業

県内の旅館・ホテルや観光案内所では、外国人観光客との間で円滑なコミュニケーションを取ることが難しく、個別の施設が多言語対応の体制を独自に整えることは負担が大きい状況でした。
福岡県は2014年6月、電話通訳サービス「ふくおかよかとこコールセンター」を開設しました。対応言語は英語・韓国語・中国語・タイ語・ベトナム語など14言語で、全言語24時間365日対応、通訳料は無料(コールセンターまでの通話料のみ利用者負担)という条件で運用しています。通訳形式は、施設に来店した外国人客とその場で対応する「2地点三者通訳」と、離れた場所にいる外国人客と連絡を取る「3地点三者通訳」の2種類です。
2018年度には九州・山口地域の自治体と連携し、対応言語を21言語に拡大した「九州・山口多言語コールセンター」として一体的に運用する規模に拡大しました。個別の施設が通訳スタッフを雇用せずに多言語対応を行える体制が、広域の自治体間連携にまで発展しています。
参考:http://kanda-cci.com/wp-content/uploads/6a1a1cc295fc087aa75c318f5de7b922.pdf
参考:https://www.city.itoshima.lg.jp/s026/content/gaiyou.pdf
(4)みずほ銀行:金融業

みずほ銀行では国内に居住する外国語話者や訪日外国人旅行者から、個人向けサービスに関する問い合わせが増加していましたが、専門性の高い銀行業務の説明を多言語で正確に行う体制がありませんでした。
2016年4月、3者間通話の仕組みを活用したコールセンターの多言語対応を開始しました。対応言語は英語・中国語・韓国語の3言語です。多言語コンタクトセンターサービスを活用し、通訳オペレーターを介した三者間通話(顧客・通訳オペレーター・銀行のコールセンター担当者が同時に通話する形式)をフリーダイヤルに導入しています。
銀行の担当者が通話に同席する形式を採用することで、専門性が求められる問い合わせにも対応できる体制を構築しました。対応時間は平日9時から17時までです。
参考:https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20160215release_jp.pdf
(5)りんくう総合医療センター:医療

大阪府泉佐野市にあるりんくう総合医療センターでは、2000年代中頃から外国人患者の救急来院が増加し、医療現場での多言語対応の必要性が高まっていました。
2006年に国際外来を開設し、医療通訳者を配置しました。その後、大阪府が提供する24時間多言語遠隔医療通訳サービスを活用し、電話・ビデオ通訳により8言語に対応する体制を整えています。あわせて機械翻訳ツールや外国人向けの多言語説明資料も活用しています。
2013年には外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)の認証を取得しました。自治体が広域の通訳基盤を整備し、個別の医療機関がそれを利用する形で、医療機関単独では構築が難しい多言語対応の体制を実現しています。
参考:https://internationalpatients.jp/wp-content/uploads/032b437980b4bc88a2529605f3c4af78.pdf
6.まとめ
コールセンターの多言語対応には、AIによる自動対応、電話通訳サービスの活用、有人オペレーターによる対応の3つの方法があり、それぞれ対応可能な問い合わせの難易度や運用コスト、導入までの期間が異なります。
サービスを選定する際は、対応言語と対応チャネル、対応範囲、サポート体制、個人情報保護体制、導入・運用コストの5つの観点から比較検討する必要があります。これらはいずれも契約後に変更しようとすると調整コストがかかる項目であるため、契約前の段階で自社の問い合わせ実態に基づいて確認しておくことが重要です。
名前・住所・日時・電話番号などの認識やツール連携により、自社の運用に合わせた対応をシームレスに構築できます。外国語での定型的な一次対応をAIに任せたい場合には、ぜひご相談ください。








